鑑別書

鑑別書は宝石の「身分証明書」のようなものです。英語ではグレーティング・レポート(等級を付けた報告書)です。正確にいうなら、鑑定士ニ人が見た報告書です。ニ人でチェックするのは正統な評価を示すためです。主な内容項目は、その石が天然石か合成石かなんらかの処理をした石なのかといった鑑別結果が記載され、形状、重量、サイズ、色相、透明度および分析項目、写真がつけられます。鑑別結果以外の品質評価、等級評価、価格、産地は記載されません。
鑑別書内容
1.鑑別書結果 宝石を科学的に分析した結果として、宝石名を記載します。また、天然石、合成石、模造石も区別をつけます。さらに天然石であっても宝石本来の性質と関係なく人工的に色や外観を改変した場合は処理石と記載します。
2.形状 カットの形状を記載します。色石の場合はオーバル・ミックス・カットやエメラルド・カットが多く見られます。鑑別書により宝石がリングなどにセットされる場合は刻印をそのまま読み取り例えばPt900リングと記載したものがあります。
3.重量 石留めされた宝石をはずして計ることは出来ないので、宝石の重量は刻印されたものを記載士ます、刻印は中石と脇石(メレ)が分けて打たれているので両方記載します。
4.サイズ 宝石の縦・横の幅・深さを記載します。この鑑別書ではリングにセットされた石のため記載されていません。
5.色合いと透明度 色合いは無色、ピンク、赤、橙、黄、緑、青、紫、褐色、白、灰色、黒とパパラチャの帯橙ピンク、ペリドットの黄緑、アクアマリンの海水青色があります。特殊な色相以外は単一の色相で記載されます。
6.外観特徴 スター効果、キャッツアイ効果、遊色効果など、特殊効果を示す場合やその石独特の特徴を記載します。
7.屈折率 宝石が光りを折り曲げる力を屈折率で示したものでス。一般的な宝石の屈折率は1.04〜1.79の範囲内です。この検査で宝石の種類がわかります。ただし宝石を留めた爪がテープ面より高いと屈折率は測定できないので測定不能と記載されます。
8.偏光性 透明石であれば1本の光りが宝石に入光したとき、そのまま1本進むか(単屈折性)2本(複屈折性)で決まります。不透明石は光りが石の内部を通過できないため、測定不能です。
9.比重 ルースの状態だと測る事ができますが、枠についたセット石の場合は測定不能と記載されます。
10.多色性 宝石は見る方向によって、色が異なる性質(多色性)をもっています。透明石で複屈折性の宝石は光りが内部に入光すると2つに分かれます。二色鏡という検査器具を使うと2つの異なった色を見る事ができます。
11.拡大検査 宝石の内部を顕微鏡で拡大して検査した結果を記載します。鑑別業務上最も重要で、神経を使う検査です。とくに天然石、合成石を区別するときには重要です。
12.分光性 宝石に色を与える金属酸化物(クロム、鉄)があると分光器のスペクトルを見れば宝石の種類により特有の光を吸収する性質(分光性)をもつことが観察できます。
13.その他の検査 カラーフィルターによる検査です。例えば赤色と黄緑色の一部お透過し他の色は吸収してしまうフィルターを使用するとルビーは鮮赤色になります。ガーネットは変化ありません。
14.蛍光性 宝石に長波、短波の紫外線を照射した時、青や赤の光が出てくる性質(蛍光性)をもったものがあります。それを観察したものです。
15.備考 エンハンスメント(改良)などの情報が記載されます。エンハンスメントは宝石がもつ潜在的な美しさを引出す目的で使われる人為的手段です。処理石(トリートメント)とは明確に区別しています。

 

※記載上、上記の内容全てを記載していない場合もあります。 

ダイヤモンドにつきましては、『Diamond Quality』=4つのC(Caratカラット,Colorカラー,Clarity透明度,Cutプロポーション)の総合評価も記載されます。

鑑別について 鑑別様子
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